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Vol.18 最近登場した面白い保険、教えます

 保険商品は、シンプルが一番と思っています。ただ、2006年1月27日に発売された終身保険でいろいろ選べて面白いなと思う商品が出たので、以下にご紹介します。これは、死亡保障のみでなく、将来60歳以降に、医療保障コースや介護年金コース、年金受取コースを選べるという保険で、いわば、若いうちは将来のことがわからなくても、継続しながら変化に対応できるという商品です。

■終身保険をベースに「医療」「介護「年金」を選んだり組み合わせたりできる

 AFLACが発売した「WAYS(ウェイズ)」という商品で、まずは一生涯にわたり、死亡・高度障害状態になったときに、契約時に設定した保険金が受け取れるという終身保険がベースになっています。

 終身保険そのものは、従来も生保各社の商品で、将来、介護保障コースや年金コースに変更することができます。しかし、この商品は、介護保障も掛け捨てではないという点、また健康状態に関係なく終身医療保障にも変更できるという点で、選択の幅がかなり広がっています。(下記イメージ図参照)

 若いうちから保険に加入したほうが保険料は安いけれども、将来必要な保障を加入時に確定させるのはそう簡単なことではないでしょう。そんなときに、将来使える、または選べる余地のある終身保険ということで、なかなか面白い内容だと思います。

■商品のイメージ

 契約当初は終身保険ですが、払込期間中の解約払戻金は通常より3割削減され、その分保険料は一般の終身保険より低めになります。そして、60歳時など将来、以下のような保障コースを選べるようになっています。

■1.医療保障コースについて

 健康状態にかかわらず一生涯の終身医療保障に変更することができます。1入院の給付上限が60日型で、手術給付金は手術の種類に応じて入院日額の10・20・40倍が受け取れます。また、終身医療保険へ移行した後、一定期間、入院給付金が支払われなかった場合は健康祝金も受け取れる内容です。

 上記の例では、入院日額5千円コースなら、払込保険料合計の約325万円を上回る死亡保障352万円を残すことができ、老後の医療保障を充実することができます。ただし、入院日額の設定内容によっては、終身保険や他のコースの金額が小さくなり、払込保険料合計に対して受取額が少なくなる可能性もあるので、変更内容には注意が必要です。

■2.介護年金コースについて

 公的介護保険制度で要介護または要支援の認定を受けた場合に介護年金が受取れ、この介護年金の額は③の年金コースより多めになります。今までの民間の介護保障商品は、介護保険金や介護年金を受け取れるための要介護状態の条件が厳しく、掛け捨てで終わる可能性も高かったと思いますが、要支援から受け取れるのは良心的だと思います。

 また、仮に介護年金を受取らずに死亡した場合も、コース移行日現在の年金原資を所定の利率で運用したものが受け取れ、払込保険料以上は戻ってくるので掛け捨てではないというのも魅力といえるでしょう。

■3.年金コースについて

 コースを移行した時点から5年間、年金を受取ることができます。他の1.2.のコースと異なり、払込期間終了後であればいつでも移行でき、医療や介護の保障をプラスする必要がない場合に生活資金として活用できます。

■注意点は?

 このように将来の変更の余地も多く、掛け捨ての要素も少ないので、使い道が多い商品だといえますが、一つだけ大きな注意点があります。それは、払込期間中は途中解約すると解約払戻金が3割ダウンになってしまうということです。

 将来のライフプランの変化により保険を見直す際に、まれに終身保険の優先順位が落ちるケースがありますが、この商品は払込期間中に解約すると不利になってしまうので、身動きがとりにくくなることがあります。

 将来の家計収支を考えて、あまり無理をしない保険料負担で契約したほうがいいでしょう。ちなみに、保険料負担合計の目安としては、手取月収の1割以内で考えておくといいでしょう。

今回のポイント

・医療や介護に備えて将来にわたりいくら準備しておいたらいいかは、若いうちからなかなか決めにくいもの。AFLACの終身保険WAYSは、将来、死亡保障のみでなく、医療や介護、年金としても必要に応じて選ぶことができ、払い込んだ保険料がムダにはならないという点で非常に使いやすく、変化に対応できる商品といえる。

・ただし、払込期間中は解約払戻金が少なくなってしまうので、無理なく継続できる保険料負担で。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

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Vol.17 最近『注目!!』の面白い住宅ローン

■預金連動型住宅ローンは、預金を減らしたらどう影響するの?

 住宅ローン選びの希望として、保証料がかからないもの、繰上返済がしやすく手数料もかからないもの、支払利息を少しでも減らせるものがいいという声がよく聞かれます。今回は、そうしたニーズに応えられる住宅ローンの1つの候補として、特に特徴的な預金連動型住宅ローンのメリットと注意点などをとりあげてみました。

■預金連動型住宅ローンって?

 これは、ローン残高と預金残高を差し引きして、借入額のうち預金残高分までは金利ゼロ、預金残高以上の借入額にのみ金利がかかるという住宅ローンです。カナダや米国ではかなり普及しているそうですが、まだ、日本では1行のみ(東京スター銀行、2006年現在、預金連動型住宅ローンの特許やシステム上の課題からだそうですが)となっています。

 この仕組みは以下のようになりますが、預金残高というのは毎日の預金残高を平均して計算されるので、1日でも引き出しを遅らせれば、平均残高が引き上げられることになります。銀行の預金金利が低い今は、寝ているお金でローンの金利負担を軽くする効果があるのは魅力的といえるでしょう。つまり、繰上返済をしなくても、預金を貯めるだけで金利負担が減り、預金残高のほうがローン残高より多くなれば、金利ゼロのまま借りることができるのです。(ちなみに我が家もこの住宅ローンを利用しています)

■素朴な疑問:預金残高を増やせば、金利負担は減るけれど、
 預金を引き出したら金利負担はどのくらい膨らむの?

 基本的には、計画的に預金残高を増やすことができる人に向いている商品ですが、一時的にお金を引き出したいということも将来起こりうるでしょう。では預金が増えたときと減ったときと、負担がどのくらい違うのかをみるために、返済内容の試算表を作成してみました。(以下は、概算の数字なので、詳細は金融機関でご確認ください)


 この例では、100万円の預金の差で、総返済額が80万円程度膨らむことになりますが、私自身の経験からすると、この預金連動型住宅ローンを利用すると、預金を引き出すのが慎重になり、ムダ使いが減るように思います。そして一時的に100万円を取り崩したとしても、その後の貯蓄ペースを少しあげて、月1万円分貯蓄を増やせれば、100万円の引き出しをしなかった時とほぼ同じ返済負担に抑えることができるといえます。

■メリットとデメリット

 このように預金連動型住宅ローンにはメリットもありますが、預金残高に対して、借入額が非常に多かったり、引き出しなどで使い方を間違えると負担が大きくなるというデメリットもありますので、以下にポイントを整理しました。

<メリット>

・貯蓄を増やすだけで、繰上返済のように預貯金を減らしてしまうことなく、ローンの金利負担を軽くできる。
・貯蓄も毎日の平均残高なので、寝ているお金を活用できる。
・金利が変動しても、預金と相殺した後の残高に金利計算される分、残高全額に金利がかかる通常の住宅ローンより金利変動リスクが抑えられる。
・預金残高とローン残高が同額になり、金利ゼロになった後は、世の中の金利動向の影響は受けずにすむ。
・預金の引き出しにも注意して、無駄な出費が減るという心理的な効果もある。

<デメリット>

・預金残高を超えて借り入れる額に対してかかる金利自体は、通常の住宅ローンより高めなので、預金残高を計画的に増やせないとメリットを享受できない。
・預金を無計画に引き出してしまったり、預金残高に対して借入額が多い人は、金利負担が通常の住宅ローンよりも膨らむことが多い。
・団体信用生命保険料が金利の中に含まれるのではなく、別途、借入残高の0.183%ほどかかるので、金利がゼロになった後も完済するまでは保険料負担は続く。
・物件の購入価額に対する借入額の割合によって、金利上乗せ幅に違いがあり、物件の購入価額の6割以内の借入なら金利は低く、9割以上では借入そのものが厳しい。

■更なる要望を言ってしまうと…

 このように、住宅ローン返済をしながら着実に預貯金を増やすことができる人にとっては、預金連動型住宅ローンは非常に使える商品だと私は思います。更に要望を言わせていただければ…次の点でしょうか。

 現在は、ローンと相殺できる預金の種類は、普通預金(金利ゼロ)と外貨預金(外貨での金利はつく)の2種類があります。しかし、実際、お金を株式投資などの投資に当てるのと、ローンと相殺できるように預金に入れるべきか悩んでいる人も多くいます。また、外貨預金は、為替レートの変動による影響があるので、やはり投資信託など更なる分散投資型の投資商品もローン残高と相殺できるといいなぁと切に思っています。ここまでできるとまさに資産連動型住宅ローンでしょうか…。

今回のポイント

・預金連動型住宅ローンは、貯蓄がある、または貯蓄を増やせる人なら、繰上返済同様の金利負担軽減の安心感があり、金利上昇リスクにも対応できる。

・一時的に預金を引き出しても、その後に貯蓄のペースを上げられれば、総返済額を膨らませないようにすることも可能。

・預金連動型住宅ローンを使う上で最近よく聞く悩みは、お金をローンと相殺できるように預金に入れるか、投資に回すかどうか…。借入額2000万円台前半なら、100万円程度を預金ではなく投資に回しても、その後の預金増加のペースをあげれば挽回できそう。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

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Vol.16 頭金ゼロで住宅購入した後の思わぬ落とし穴

 一般的なセオリーでは、頭金は物件価額の2割といわれていますが、正直なところ、実際に頭金ゼロでも住宅を購入することはできます。そして、頭金ゼロで、諸費用分まで住宅ローンを借りて住宅購入したという事例も多く見てきました。

 しかし、購入当初は意識していなくても、住宅ローンは何十年もの返済が必要なので、途中で少しでも金利節約をしたいなど見直しを考えることもあるでしょう。今回は、頭金ゼロで購入した人が後で直面した思わぬ落とし穴について、ご紹介したいと思います。

■頭金ゼロでは、公庫やフラットは利用できず、民間の住宅ローンから選択

 以前、年収が比較的高い人ですが、消費癖があり貯蓄が十分になくて、頭金ゼロでかつ諸費用分まで借りてマンションを購入していたケースがありました。物件価額は4700万円で、住宅ローンは物件価額に諸費用を上乗せした4850万円を借り入れしたという内容です。当時、頭金がゼロの状態では、公庫やフラット35は借りられず、借りていたのは民間の2年固定の住宅ローンでした。そろそろ2年が経過して、金利も見直されるので、より条件の良い住宅ローンへ借換えをしたいというご相談に来られましたが、この方はその後、どのような問題に直面したのでしょうか?

■有利な住宅ローンほど審査が厳しく、担保割れで借換えがしにくいことも

 その方は、知名度の高い会社にお勤めで、年収も1000万円近くあり、返済能力という面では問題なさそうなので、金利の節約目的で、より金利条件の有利な住宅ローンへの借換えを検討しました。条件的に一番有利な住宅ローンを比較して、金融機関へ書類を出して審査結果を待ったところ、借換え希望額が4600万円台で当初からあまり減っておらず、物件の担保評価(図参照:購入時の担保評価は物件価額の8割が一般的といわれる)をはるかに超えていたので、残念ながら融資の承認がおりなかったのです。

 特に金利条件などで優位性を出していない金融機関なら、そこまで審査は厳しくなかったかもしれません。しかし、金利優遇など有利な条件でお金を貸すということは、それだけ銀行も年収および担保評価などの基準を厳しくせざるを得ないのだろうと私も感じました。

 承認がおりなかったという事実は、誰にとっても非常にショックなことだと思います。ただ、最初に担保評価以上の借入をしたこと、そして購入後も貯蓄が貯まっていなかったために、借入元金を減らせなかったのは大きな問題だったのです。

■購入後に貯蓄を増やしていれば、まだ対応できたが・・・

 仮に頭金ゼロで住宅ローンを目一杯借りても、その後にしっかりと貯蓄を増やせていれば、より良い内容の住宅ローンが登場した際にすぐに借換えするなどの選択肢を増やすことができます。しかし、頭金ゼロで住宅購入をしてしまった人の実際の家計収支は、広い部屋になった分、光熱費がかさんだり、物が増えたりと、やはり貯蓄できないままという方が多いように思います。よって、頭金ゼロで購入した人はなおのこと、住宅購入後の収支を楽観視することなく、気持ちを改めてお金の管理をして貯蓄を増やしていくことが非常に大切だと思います。

■金融機関によって審査基準は異なり、借換えは何度でもトライできる

 先ほどの承認がおりなかったというケースですが、実はあきらめずに、再度借換えにトライした結果、住宅ローンの見直し実行までこぎつけることができました。どのように解決したかというと、年収が多い人なので、気を引き締めてボーナスに手をつけないようにして貯蓄を少しでも増やし、借換え希望額を落としてみました。そして金利条件などは現状より有利で、かつ担保評価に関する審査基準が多少緩いと思われる金融機関にトライしたのです。

 こうして、少しでも金利の節約に向けて住宅ローンの借換えが実現しましたが、この方は、担保割れでも、勤務先や年収面が安定していたのが救いでした。もしも、転職・独立開業、年収ダウンしていれば、借換えは厳しく、従来の比較的高い金利の住宅ローンのまま、繰上返済などで利息を節約するしか手立てはなくなってしまうでしょう。

■住宅ローンをコントロールできるようにしておくことが安心のツボ

 このように、頭金がなくでも住宅購入はできますが、住宅ローンを将来にわたってコントロールするという視点では、かなり選択肢を狭めてしまうことは、知っておいていただきたいと思います。

 住宅ローンを返済期間中も見直すなどしてコントロールできるようにするには、借入額を担保評価以上にしないこと、つまり貯蓄を準備して借入額をいつでも減らせるようにしておくことが大切だと思います。

今回のポイント

・頭金ゼロでも住宅は購入できるが、担保評価を超えた借入額でスタートすると、担保割れのため借換えの選択肢が減ってしまう。

・頭金ゼロで購入しても、担保評価額以内にまで借入元金を減らせるよう、貯蓄を増やすことができれば、借換えなどで住宅ローンをコントロールできるようになる。

・今まで貯蓄できず頭金が準備できなかった人が、住宅購入後に貯蓄を増やすことは、そう簡単なことではない。しっかりと気を入れ替えて家計管理を心がけることが必要。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

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Vol.15 夫婦で住宅ローンを組むプランの注意点は?

 共働き夫婦が増えてくるにつれ、住宅購入をする場合の夫婦の住宅ローンの組み方についても相談を受けることが増えてきました。実は、夫の年収、妻の年収、夫婦の働き方と将来の収入見込みなどによって、住宅ローンのベストなプランは変わってきますが、単独で住宅ローンを組む以外に、夫婦で住宅ローンを返済するプランには、大きく次の方法があります。

■プランその1.住宅ローンは夫名義で、妻は「連帯保証人」または「連帯債務者」となって、収入合算をするという方法

 収入を合算するということは、住宅ローン返済にかかわることを意味しますが、妻が「連帯保証人」となるか「連帯債務者」となるかで、住宅ローン控除の扱いが変わってきます。「連帯保証人」なら住宅ローン控除は借入名義人の夫のみしか受けられず、「連帯債務者」なら一緒に返済する意味から、夫も妻もローン残高を按分して、それぞれ住宅ローン控除を受けられます。(ただし、住宅ローン控除を利用するには持分登記が必要。)

 実は、「連帯保証人」か「連帯債務者」になるかは、金融機関によって扱いが異なり、「連帯債務者」は、公庫や民間のフラット35、一部の金融機関に限られ、「連帯保証人」扱いとする金融機関のほうが多いようです。

 最近は住宅ローン控除も控除対象残高の上限が以前より下げられてきたので、多額の住宅ローンを組むような場合は、連帯債務者としてか、次のペアローンで2人に分けて申告したほうが有利なケースもでてきます。

■プランその2.夫と妻がそれぞれの借入額、借入期間を決めて、同じ金融機関からそれぞれ住宅ローンを借りるという方法(ペアローンとも言われる)

 これは、以下のように同じ銀行から2本の住宅ローンを借り入れる契約になるので、夫婦それぞれが、住宅ローン控除を受けられます。そして、夫の返済プランとは別に、妻の返済能力に合わせて、借入額や借入期間、金利タイプを組み合わせることができます。

 例えば、以下のように、妻が途中10年後くらいに仕事をやめたとしても、繰上完済できる程度の返済を考え、短期間で返済できるのなら、3年固定、5年固定などの低金利ローンを選ぶことも可能です。

 

■希望借入には夫の年収が足りない場合に無理して使うと怖い

 以上のように夫婦で返済するプランは、最近、夫の年収だけでは希望の借入額に満たない場合に組もうするケースも見られます。特に、自営業者の方は、必要な年収の水準が、会社員のように税引き前の年収で審査されるのではなく、経費を差引いた申告所得で審査されてしまうので、解決策としてあげられることもあります。

 しかし、むやみに妻の収入を加算して借入額を増やすのは、非常に大きなリスクがあるのです。もし、夫婦の年収合計が将来も同じ水準で確保できなくなってしまったら…?

■どちらかが収入ダウンになった場合でも返せるプランかどうかが一番大事

 夫婦で返済するプランを考える場合に、一番注意しないといけないのは、片方が途中で仕事をやめたり、あるいは、年収がダウンして返済し続けられない状況になることはないかという点です。

 先日受けた相談では、妻が体調を崩して仕事を変えて、収入を落とさざるを得ないというケースもありました。出産で、収入が一時的に減ることもあるでしょう。こうした将来の変化も予測しつつ、対応できる範囲での借入内容にすることが何より大切です。

 住宅の売買契約を済ませ、ローンが借りられるかどうか審査結果待ち・・という状況で、希望借入額までの融資が承認されない!という事態になることは、非常にショックが大きいものです。住宅ローンはどのくらい借りられるのか、そして将来も無理なく返せるかどうかをまず先に考えてから、物件の予算を決められれば、ストレスなく住宅取得が実現できるのではないかとつくづく思います。

今回のポイント

・シングル共働き夫婦が住宅購入する際は、まず、夫婦でどのように住宅ローンを返済していくかを考え、借り入れ可能額を検証した上で予算を決めよう。

・収入合算やペアローンを検討する際は、特に妻が将来、仕事を続け、返済し続けることが可能かどうか、収入に変動要素があれば、対応しきれる金額の範囲内で借入額、借入期間、金利タイプを考えよう。

・夫婦で住宅ローン控除を受けたい場合は、連帯債務者となるかペアローンがよいが、住宅は持分登記をして共有しておくことが必要。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

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Vol.14 シングルOLのマンション購入の落とし穴

 先日、シングルの女性のマンション購入に関して住宅ローンのご相談をお受けしました。最近は、マンション購入セミナーも大流行と聞いています。そこでは、造りもセキュリティ面も安心で、駅からの便もよく、資産価値も下がらない物件で、仮に将来、結婚しても人に貸せるという視点で選ぶ方法をよく耳にします。

 確かに家賃を払うくらいなら、資産として価値のある物件を購入してそこに住むのも一つの方法かもしれません。しかし、そこには、あまり知られていない落とし穴があるのです。

■落とし穴その1:人に貸すと、住宅ローンの借換えができなくなるのをご存知?

 実際の住宅ローンの相談で、人に貸している物件の借換えをしたいという声もよく聞きます。しかし、一旦、人に貸してしまった物件は、あなたの住宅という扱いではなく、投資用不動産になってしまいます。その結果、一般の金融機関の住宅ローンは対象から外れてしまうのです。

 購入時に組んだ住宅ローンをそのまま生かすことはできますが、もし、その住宅ローンが3年固定タイプあるいは変動金利タイプなどで、途中で金利が見直されるタイプの場合、将来の返済はどうなるのでしょうか?

 2005年12月現在の店頭金利は、既に5年固定で3%に上がっていますので、住宅ローンの金利水準が3%4%まであがることは十分に考えられます。その場合、毎月の返済負担は図のように3万円程度もアップしてしまう可能性もあるのです。

 そこで金利条件が少しでも良いローンへと借換えしたいと思っても、既に人に貸していた場合は、住宅ローンの借換えはできません。また、投資用不動産が使える事業用ローンは金利条件が住宅ローンほど良くなく、借換えのメリットはほとんど出ないといえるでしょう。これでは、家賃収入でローン返済をカバーできなくなるリスクも発生してしまいますよね。

■落とし穴その2:派遣社員になると、住宅ローンも良い条件での借入が厳しい

 中には、転職をしたり、派遣社員として勤務形態を変えていく人も多いでしょう。先日は、派遣社員でマンション購入を検討している人がいましたが、民間の住宅ローンでは、派遣社員および転職直後というのは、なかなか借入が厳しい状況でした。

 頭金が物件価格の2割あれば、勤続年数に関係のない「フラット35」が使えるのですが、衝動買いに近く、頭金ゼロでのマンション購入では、不動産業者の提携先として紹介された変動金利タイプの住宅ローンくらいしか選択肢がなかったようです。購入時はなんとか借りられても、途中で借換えできないかもしれない現状を知った上で判断すべきだと思います。

■最初から長期固定金利のローンを選ぶのが理想的

 このように、購入したマンションを将来、賃貸に出す可能性がある人、または転職や独立をする可能性のある人は、今後住宅ローンの見直しをしなくてもいいように、購入時に借り入れる住宅ローンをしっかり選ぶ必要があると思います。

 住宅ローンは、本人の将来の返済能力と住宅としての担保価値から貸してもらえる商品です。ローン変更も簡単にできると安易に思わないことが大切です。

 では、将来、住宅ローンの借換えをしなくても大丈夫なように、シングルOLさんの選ぶべき住宅ローンは、少なくとも返しきるまでの金利が固定されているタイプがいいと思います。民間金融機関が窓口になって公庫が買い取る「フラット35」か、20年から30年程度は固定金利が適用されるタイプなどが候補でしょう。

・「フラット35」を利用できるためには、頭金も物件価格の2割を預貯金から出せるように、貯蓄も準備済みであることが必要です。

・一方、長期固定金利の住宅ローンは、返済額は安定していますが、短期固定タイプよりも金利が高めな分、購入直後の返済額が比較的多くても問題ないかどうかを検証しておくことが大切です。
(次の図参照)

今回のポイント

・シングル女性のマンション購入は、将来、結婚や転職などのライフプランの変化を考えて住宅ローンを選ぶべき。

・特に人に貸したり、転職したりすると住宅ローンの借換えが非常に厳しくなることは覚悟しておこう。

・もし、その可能性があるなら、途中借換えをしなくてもすむように、長期固定金利タイプの住宅ローンを最初から選んでおくことが安心の秘訣。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

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Vol.13 二世帯住宅で賢く住宅ローンを組むには?

 最近、親との2世帯住宅を考える30代夫婦も増えているように思います。親にとっては、身内がそばにいることで安心感があるし、息子夫婦にとっても子育てを手伝ってもらえるなどお互いに助け合えるメリットがあるからでしょう。しかし、資金面では住宅ローンを誰が組むのかという点で多くの人が悩んでいるように思います。それは、次のように

・親の年齢から、親が単独で長期間のローンを組むことは難しい(年金生活に入ってからでは住宅ローンを組むのは難しく、定年が近い場合は収入減の不安がある)

・建築費はかかるが、子1人の収入ではローンを全額組むのが厳しい(30代前半では年収が多くなく、将来の子供の教育費負担の不安がある)

といったことが考えられるからです。

 よって、2世帯住宅で、親子とも相応の負担をしながら、無理なく返済できるプランが考えられるとより安心して計画をたてられるのではないでしょうか?

 その効果的な方法には、次の2つがあげられます。

■1.親が借りて、子供が引き継ぐ「親子リレー返済」

 リレー返済は、親が高齢でも、リレーのように住宅ローンを引き継いで、後継者の借入申込時の年齢をもとに長い期間の借入ができるものです。住宅金融公庫やフラット35、そして一部の銀行ローンで取り扱われています。フラット35では、通常、親が1人で組むなら80歳までの借入期間が限度になりますが、息子が連帯債務者となって引継ぐことにすれば、子供の年齢を基準に最長35年の返済が可能になります。

 ここで気になるのは、住宅ローンの返済者に万一のことがあった場合に、残高を保険金で精算してくれる団体信用生命保険の扱いです。詳細は金融機関によって異なりますが、フラット35では全額分団体信用生命保険に親が加入することができます。親が80歳になったら、手続きをすることで子の団信加入へと切り替えられますが、万一、親の加入期間中に死亡した場合はこの団体信用生命保険でローンを精算でき、息子の負担はなくなるというメリットがあります。(ただし、リレー返済の団体信用生命保険の扱いは、金融機関によって異なるので、事前に確認することが大切)

 以下、親子リレー返済のメリットと注意点をあげてみました。

<メリット>
・息子の年齢に応じて返済期間を長くとれるので、後で繰上返済で期間短縮するなどコントロールができる。
・団体信用生命保険を被保険者1人で借入額全額つけられる(フラット35の場合)。

<注意点>
・返済期間が長くなるので、そのままでは総返済額が膨らみがち。
・親が定年後も返済する可能性もあり、家計面で協力することが必要。
・住宅ローン控除を受けられるのは返済している親か子のどちらか。

■2.最初から親子で同時にローンを組む「親子ペアローン」

 一方、2本の住宅ローンを同時に並行させるのが、ペアローンで、一部の銀行で扱われています。親子が住宅を共有し、親子それぞれが同じ金融機関の住宅ローンで金利タイプ・返済期間を選んで返済していくものです。

 例えば、A銀行で、子供が組むローンは期間35年としますが、親は10年以内の完済をイメージしたとします。総額2500万円の借入のうち、子が1800万円、親が700万円というふうに按分して、持分に応じた登記をします。金利タイプは、当面の低金利を活かし、子供の教育費負担と重ならないように子が10年固定を選択、親は途中で退職金などで繰上完済も可能と5年固定を選択すると、次のようなプランになります。

 これによって、親子とも最初から無理のない返済額でスタートでき、途中で金利が見直されたとしても、資金余裕度に応じて繰上返済によって負担増加を避けることも可能です。なお、親子ペアローンのメリットや注意点を整理すると以下があげられます。

<メリット>
・親子2人の収入に応じて1人ずつ借入額や完済時期を変えて設定できる。
・双方の借入額や返済額もはっきりし、親子それぞれが最初から住宅ローン控除を受けられる(ただし、所得税負担がある間のみ)。

<注意点>
・団体信用生命保険は親と子それぞれの加入で、万一片方が亡くなったら残りの返済は続く。それが不安な場合は、民間の掛け捨ての生命保険をプラスで加入しておくと安心。

 2世帯住宅に対する住宅ローンは、このように親子でお互いに相応の負担をしていく方法があり、それだけ資金調達の選択肢が増えることになります。上手にローンを組めば、それだけメリットが出てきますが、逆に安易に借入金額が大きくなったり、返済期間が長くなることで、金利負担が大きくなる可能性もあることは十分注意しておきましょう。

 そして、金銭問題のみでなく、住まいを共にするという意味で、何よりも親子間で仲良く暮らし続けるということを大切にしていただきたいと思います。

今回のポイント

2世帯住宅で親子が住宅ローンを組む方法に、親子リレー返済と、親子ペアローンがある。無理のない返済で、経済的により安心してお互いに生活できるために、それぞれ以下の点に特に注意してプランをたてましょう。

・親子リレー返済は団体信用生命保険が誰にどこまで付けられるかあらかじめチェック!
・親子ペアローンはそれぞれの金利や返済期間を無理なく設定しよう!

STコンサルティング(有) 吹田朝子

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Vol.12 細かい家計簿なしで効率的にお金を管理する

■家計簿は単なる集計ではダメ

 大根1本の値段まで細かい家計簿の記録をつけている人をときどき見かけます。その日々の心がけはとてもすばらしいことなのですが、それだけ細かいと記録するだけで満足してしまって、単なる集計で終わってしまいかねないと思います。家計簿はつけることが目的ではなく、道具にすぎないので、お金の管理まで到達できないと、せっかくの家計簿の機能が活かせないといえます。

■家計簿は目覚まし時計の役割

 例えば、朝の決められた時刻まで安心してぐっすり眠るために、目覚まし時計はよく使いますよね。その目覚まし時計の役割が、家計簿だと思います。自分の目標(何のためにいくら貯めたい=起きる時間)の達成に役立つ道具・ツールとして、アラーム機能があれば、そのアラームがならない限り安心してお金を使うことができるのではないでしょうか?そのアラームの設定の仕方も次のように工夫すると、細かい日々の記録がなくても家計管理はできます。

■毎月使えるお金の上限(アラーム)を設定するために

1.今のあなたの支出の癖をチェック
 まず、あなたの家計収支の現状のうち、毎月いくらが固定的支出として出て行くのかをチェックすることが必須です。

 毎月ストレスを感じないで、計画的に積み立てなどができるようにするには、上記の固定的支出が膨れていないことが大切です。固定的支出が手取り月収の50%を超えていると、食費や水道光熱費などを節約しても限界があるからです。固定的支出を抑えて、貯蓄を手取り月収の10%以上確保できるようにする支出配分は次のようなイメージになります。

2.あなたの支出の流れからアラーム機能を持たせる
  固定的支出など、自分が自由に使えないお金がいくらかわかったら、次に以下のバケツのイメージで、自分でやりくりできる毎月のやりくり支出と臨時支出の引き出し額の上限を決めます。

 臨時支出分としては、旅行や家電製品の購入費など、今まで毎月のやりくりの中で出していたものもあるかもしれません。しかし、毎月必ずある支出と区別したほうが、管理がしやすくなると思います。そして、臨時出費分の予想をたてて事前に積み立てておき、保有口座の残高が大幅に減らないようにすることが余裕をもたせるポイントです。

 次の図のように、保有口座から毎月のやりくり支出分として引き出す範囲に上限を設定し、その範囲を超えないようにアラームを設定することが、家計の予算をたてることになります。そして、引き出したお金についてだけ、注意していればいいのなら、家計簿の記録は楽になるでしょう。固定的支出を除いた部分を中心に支出内容の経過がわかればいいので、すべての支出の細かい記録がなくても、十分家計の管理はできていることになります。

     
                        
 いかがでしょうか?このように家計簿で自分が使えるお金の上限を決めて、その額を超えないようにアラーム機能をつければ、全支出に対する細かい家計簿は必要なくなります。そして、細かいことにこだわらずにお金を使えるようになれば、記帳のストレスも減るのではないでしょうか?

 なお、目覚まし時計がなくても自然と起きられる人がいるように、家計簿がなくても口座の通帳を見ているだけで、使っていい上限がわかって自然と家計管理できている人もいます。体内時計があるように、家計支出についても、自分流のリズムをつかめると本当に家計管理が面倒でなくなると思います。

今回のポイント

・毎月かならず出て行く固定的な支出が、手取り月収の50%を超えないようにすると家計管理に余裕が出てくる。

・毎月の固定的支出以外の自分で使っていいお金(変動的なやりくり支出と臨時支出)は、支出の上限を決めて、その範囲内におさまるように家計簿にアラーム機能をもたせると、細かい記帳がなくても、十分に家計管理ができる。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ



Vol.11 教育ローンを子供が負担したら?

 前回は、「親が子供の教育費を全部負担する」と背負ってしまうのではなく、子供にも教育に対する自己投資の視点を取り入れ、実際に子供に負担をさせるプランもありうるとご紹介しました。今回は、教育ローンを借りた場合の返済を子供にも負担させた際に、子供の経済的な影響はどうなるのか?を検証してみました。

■国の教育ローンを利用して、就職してから返済

 奨学金制度もいろいろありますが、金利が公表されていて、利用しやすい国民生活金融公庫の「国の教育ローン」の例で試算をしてみます。

 「国の教育ローン」をはじめ、多くの教育ローンでは、在学中は元金据え置きで利息分だけを返済することが可能です。

1.在学中の利息は親が返済
 子供の大学進学時に200万円を借り入れ、金利年1.65%(平成17年11月現在)で試算すると、在学中の利息返済は、4年間で合計13万円程度になります。ローンは収入がないと組めないので、親が借りることになりますが、この程度の利息なら親が返済しても問題ないでしょう。

2.子供が就職したら、子供が親へ返済するか、返済者を変更
 無事に大学を卒業して就職したら、返済者の名義は親のまま子供が親へ返済をするか、借入先へ相談の上、親子の連帯債務者にするなどして子供が返済するように変更することができます。
 国の教育ローンは元金据え置き期間分を含めて返済期間は10年間が基本なので、子供就職した後は、残り6年以内に完済しなければなりません。

 ただ、将来のプランを考えた上では、結婚前には完済して、預貯金をある程度貯めておきたいので、目標5年で完済とします。その収支はこちらの表になります。

■低利のローンを選べば計画的に無理なく返済でき、マネー管理の習慣もつく

 この例では、就職して年収250万円でスタートしていますが、教育ローンの返済は、毎月3.5万円程度(金利1.65%、5年間の返済)なので、大きな負担とはいえないと思います。月3.5万円程度ならクレジットカードでのお買い物くらいの負担とさえ言えるでしょう。よって、生活費などをやりくりすれば、返済しながらも貯蓄が可能な水準といえます。

 そして、働きながら返済するという経験を積んだ子供は、無駄な衝動買いなどは定期的な返済に影響を及ぼすことも実感できるはずです。実際に、完済した後は、計画的な貯蓄が自然とできているという若い人たちを私も多く拝見しています。

 更にこの例では、完済後に1人暮らしをスタートさせてみましたが、それでも、30歳の結婚までに結婚資金などの準備もできているプランになります。

 このように子供に教育費の一部を負担させても、子供の将来の経済的な負担はあまり大きくなく、逆に子供自身にマネー管理の習慣が自然と身につくというプラスの効果のほうが大きいと思っています。

今回のポイント

・奨学金や低利の教育ローン(200万円程度)なら、就職後の子供に返済を負担させても、経済的な負担はそれほど大きくはならない。

・さらに、子供自身が定期的な返済を通じて、お金の管理のノウハウを自然と身につけ、将来の経済的な自立に役だつことも多い。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

マネー
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Vol.10 親はどこまで負担すべき?子供の教育費

 最近、30代~40代ファミリーから、教育資金などを反映させた将来の家計収支のチェックを依頼されることが増えてきました。そして、実際に高校から私立、中学から私立進学などといったケースを見ていくと、多くの世帯で老後資金がショートしてしまうのに驚かされます。

 今回は、教育費支出による家計収支の実態と、どこまで親が教育費を負担するべきなのか、いろいろな事例を参考にしていただければと思います。

■よくある将来の家計収支の例

 この試算(下部の表をご参照ください)で紹介したファミリーは、夫会社員、妻は専業主婦で、子供2人のケースですが、2人のお子さんが高校から私立へ進学すると仮定したものです。インフレなどを加味して1%の上昇率を見込んで支出を試算していますが、なんと2人目のお子さんの私立大学進学時に、家計の貯蓄はマイナスになってしまいます。しかもこうした例は、レアケースではなく、非常に多くのご家庭で見られるのです。(ちなみに収入は現状維持のままで、上昇率はゼロと保守的に見積もっています。)

 我が家もそうですが、最近は周辺の教育環境から、私立の受験も盛んになってきているように思います。しかし、安易に進路を選んでしまうと、途中で資金繰りが厳しくなってしまったり、自分たちの老後資金まで確保できなくなってしまいます。しっかりと将来を見据えたお金の管理をすることは、家族ぐるみで必要になってきていると思います。

■子供たちにも教育に対する自己投資の視点が必要

 私は、親が教育費のすべてを負担するという時代はもう終わったと思っています。私自身もそうでしたが、自分でお金を出したものに対しては、非常に真剣に取り組むと思います。今後は、家族で子供の進路について話し合い、子供がどうしても行きたいという進路については、どこまでは親が負担し、どこからは子供が負担する(将来返済するなど)といったことを決めるほうが、親子のけじめもつき、子供の教育に役に立つのではないかと思います。以下、親子で話し合っていろんな手段で教育費を捻出した方の例をご紹介します。

1.大学4年間分の資金を子供に一括して渡してやりくりさせる。
 これは私が非常に感心した例です。以前、お話をしたお客様で、大学進学と同時に子供に4年間分の学費やこづかいとして300万円を渡し、その範囲で全部自分でやりくりするように伝えたという母親がいらっしゃいました。そのお子さんは、自分のこづかいのやりくりも含めて、勉強の合間にアルバイトをしていたそうですが、これはまさに、家計管理の原点でもあり、かつアルバイトを通じた社会勉強も並行し、すばらしい教育ではないかと思います。

2.1年分ずつ学費や寮生活費をまとめて仕送りする
 これは、自宅から出て大学へ通う子供へ寮を利用させ、かつ必要な学費と寮生活費として必要な分のみ1年分ずつまとめて送っていたケースです。なんとこのお子さんは、年始に受け取った学費分を、うまく分散投資して少しでも増やしたそうです。MMFや国債をはじめ、比較的安全性の高いものを研究したそうで、まさに投資の実践ノウハウを学生のときから身につけた例といえます。

3.奨学金や教育ローンを利用する
 大学も優秀な学生を確保したいために奨学金制度を充実させているところが増えています。また、教育ローンも公的なローンや民間など利用しやすくなっています。これらを利用して親が最後まで返済をするのではなく、将来就職したら子供自身が負担していくという方法をとることが、結果的に子供の勉学にも金銭教育にも役立つではないかと思っています。実際、奨学金を返済しているという若い夫婦も見かけますが、彼らは非常に金銭感覚がしっかりしており、短期間で返済を終えて、一気に貯蓄ペースを上げているのを目の当たりにしています。

 以上3つの例をご紹介しましたが、親が子供の教育費負担を全部抱え込む必要はないという楽な気持ちになって、家族で今後の資金計画を話し合うという経験も非常に大事な世の中になっていると思います。

 なお、次回は、奨学金などを利用したケースの収支をご紹介してみたいと思います。

今回のポイント

・私立進学も含めて教育費を全部親が負担するという事例では、老後まで資金繰りがもたないケースが非常に多い。

・子供のためにも、親が支援する方法を家族で話し合うべき。

・例えば、あらかじめ決めた一定額を子供に渡し、その範囲内でやるように仕向けたり、奨学金や教育ローンを子供も就職後に負担することを話しあうことも子供の自立を促す効果があるはず。




STコンサルティング(有) 吹田朝子

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