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Vol.15 夫婦で住宅ローンを組むプランの注意点は?

 共働き夫婦が増えてくるにつれ、住宅購入をする場合の夫婦の住宅ローンの組み方についても相談を受けることが増えてきました。実は、夫の年収、妻の年収、夫婦の働き方と将来の収入見込みなどによって、住宅ローンのベストなプランは変わってきますが、単独で住宅ローンを組む以外に、夫婦で住宅ローンを返済するプランには、大きく次の方法があります。

■プランその1.住宅ローンは夫名義で、妻は「連帯保証人」または「連帯債務者」となって、収入合算をするという方法

 収入を合算するということは、住宅ローン返済にかかわることを意味しますが、妻が「連帯保証人」となるか「連帯債務者」となるかで、住宅ローン控除の扱いが変わってきます。「連帯保証人」なら住宅ローン控除は借入名義人の夫のみしか受けられず、「連帯債務者」なら一緒に返済する意味から、夫も妻もローン残高を按分して、それぞれ住宅ローン控除を受けられます。(ただし、住宅ローン控除を利用するには持分登記が必要。)

 実は、「連帯保証人」か「連帯債務者」になるかは、金融機関によって扱いが異なり、「連帯債務者」は、公庫や民間のフラット35、一部の金融機関に限られ、「連帯保証人」扱いとする金融機関のほうが多いようです。

 最近は住宅ローン控除も控除対象残高の上限が以前より下げられてきたので、多額の住宅ローンを組むような場合は、連帯債務者としてか、次のペアローンで2人に分けて申告したほうが有利なケースもでてきます。

■プランその2.夫と妻がそれぞれの借入額、借入期間を決めて、同じ金融機関からそれぞれ住宅ローンを借りるという方法(ペアローンとも言われる)

 これは、以下のように同じ銀行から2本の住宅ローンを借り入れる契約になるので、夫婦それぞれが、住宅ローン控除を受けられます。そして、夫の返済プランとは別に、妻の返済能力に合わせて、借入額や借入期間、金利タイプを組み合わせることができます。

 例えば、以下のように、妻が途中10年後くらいに仕事をやめたとしても、繰上完済できる程度の返済を考え、短期間で返済できるのなら、3年固定、5年固定などの低金利ローンを選ぶことも可能です。

 

■希望借入には夫の年収が足りない場合に無理して使うと怖い

 以上のように夫婦で返済するプランは、最近、夫の年収だけでは希望の借入額に満たない場合に組もうするケースも見られます。特に、自営業者の方は、必要な年収の水準が、会社員のように税引き前の年収で審査されるのではなく、経費を差引いた申告所得で審査されてしまうので、解決策としてあげられることもあります。

 しかし、むやみに妻の収入を加算して借入額を増やすのは、非常に大きなリスクがあるのです。もし、夫婦の年収合計が将来も同じ水準で確保できなくなってしまったら…?

■どちらかが収入ダウンになった場合でも返せるプランかどうかが一番大事

 夫婦で返済するプランを考える場合に、一番注意しないといけないのは、片方が途中で仕事をやめたり、あるいは、年収がダウンして返済し続けられない状況になることはないかという点です。

 先日受けた相談では、妻が体調を崩して仕事を変えて、収入を落とさざるを得ないというケースもありました。出産で、収入が一時的に減ることもあるでしょう。こうした将来の変化も予測しつつ、対応できる範囲での借入内容にすることが何より大切です。

 住宅の売買契約を済ませ、ローンが借りられるかどうか審査結果待ち・・という状況で、希望借入額までの融資が承認されない!という事態になることは、非常にショックが大きいものです。住宅ローンはどのくらい借りられるのか、そして将来も無理なく返せるかどうかをまず先に考えてから、物件の予算を決められれば、ストレスなく住宅取得が実現できるのではないかとつくづく思います。

今回のポイント

・シングル共働き夫婦が住宅購入する際は、まず、夫婦でどのように住宅ローンを返済していくかを考え、借り入れ可能額を検証した上で予算を決めよう。

・収入合算やペアローンを検討する際は、特に妻が将来、仕事を続け、返済し続けることが可能かどうか、収入に変動要素があれば、対応しきれる金額の範囲内で借入額、借入期間、金利タイプを考えよう。

・夫婦で住宅ローン控除を受けたい場合は、連帯債務者となるかペアローンがよいが、住宅は持分登記をして共有しておくことが必要。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ


2006-02-14 11:19  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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