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Vol.17 最近『注目!!』の面白い住宅ローン

■預金連動型住宅ローンは、預金を減らしたらどう影響するの?

 住宅ローン選びの希望として、保証料がかからないもの、繰上返済がしやすく手数料もかからないもの、支払利息を少しでも減らせるものがいいという声がよく聞かれます。今回は、そうしたニーズに応えられる住宅ローンの1つの候補として、特に特徴的な預金連動型住宅ローンのメリットと注意点などをとりあげてみました。

■預金連動型住宅ローンって?

 これは、ローン残高と預金残高を差し引きして、借入額のうち預金残高分までは金利ゼロ、預金残高以上の借入額にのみ金利がかかるという住宅ローンです。カナダや米国ではかなり普及しているそうですが、まだ、日本では1行のみ(東京スター銀行、2006年現在、預金連動型住宅ローンの特許やシステム上の課題からだそうですが)となっています。

 この仕組みは以下のようになりますが、預金残高というのは毎日の預金残高を平均して計算されるので、1日でも引き出しを遅らせれば、平均残高が引き上げられることになります。銀行の預金金利が低い今は、寝ているお金でローンの金利負担を軽くする効果があるのは魅力的といえるでしょう。つまり、繰上返済をしなくても、預金を貯めるだけで金利負担が減り、預金残高のほうがローン残高より多くなれば、金利ゼロのまま借りることができるのです。(ちなみに我が家もこの住宅ローンを利用しています)

■素朴な疑問:預金残高を増やせば、金利負担は減るけれど、
 預金を引き出したら金利負担はどのくらい膨らむの?

 基本的には、計画的に預金残高を増やすことができる人に向いている商品ですが、一時的にお金を引き出したいということも将来起こりうるでしょう。では預金が増えたときと減ったときと、負担がどのくらい違うのかをみるために、返済内容の試算表を作成してみました。(以下は、概算の数字なので、詳細は金融機関でご確認ください)


 この例では、100万円の預金の差で、総返済額が80万円程度膨らむことになりますが、私自身の経験からすると、この預金連動型住宅ローンを利用すると、預金を引き出すのが慎重になり、ムダ使いが減るように思います。そして一時的に100万円を取り崩したとしても、その後の貯蓄ペースを少しあげて、月1万円分貯蓄を増やせれば、100万円の引き出しをしなかった時とほぼ同じ返済負担に抑えることができるといえます。

■メリットとデメリット

 このように預金連動型住宅ローンにはメリットもありますが、預金残高に対して、借入額が非常に多かったり、引き出しなどで使い方を間違えると負担が大きくなるというデメリットもありますので、以下にポイントを整理しました。

<メリット>

・貯蓄を増やすだけで、繰上返済のように預貯金を減らしてしまうことなく、ローンの金利負担を軽くできる。
・貯蓄も毎日の平均残高なので、寝ているお金を活用できる。
・金利が変動しても、預金と相殺した後の残高に金利計算される分、残高全額に金利がかかる通常の住宅ローンより金利変動リスクが抑えられる。
・預金残高とローン残高が同額になり、金利ゼロになった後は、世の中の金利動向の影響は受けずにすむ。
・預金の引き出しにも注意して、無駄な出費が減るという心理的な効果もある。

<デメリット>

・預金残高を超えて借り入れる額に対してかかる金利自体は、通常の住宅ローンより高めなので、預金残高を計画的に増やせないとメリットを享受できない。
・預金を無計画に引き出してしまったり、預金残高に対して借入額が多い人は、金利負担が通常の住宅ローンよりも膨らむことが多い。
・団体信用生命保険料が金利の中に含まれるのではなく、別途、借入残高の0.183%ほどかかるので、金利がゼロになった後も完済するまでは保険料負担は続く。
・物件の購入価額に対する借入額の割合によって、金利上乗せ幅に違いがあり、物件の購入価額の6割以内の借入なら金利は低く、9割以上では借入そのものが厳しい。

■更なる要望を言ってしまうと…

 このように、住宅ローン返済をしながら着実に預貯金を増やすことができる人にとっては、預金連動型住宅ローンは非常に使える商品だと私は思います。更に要望を言わせていただければ…次の点でしょうか。

 現在は、ローンと相殺できる預金の種類は、普通預金(金利ゼロ)と外貨預金(外貨での金利はつく)の2種類があります。しかし、実際、お金を株式投資などの投資に当てるのと、ローンと相殺できるように預金に入れるべきか悩んでいる人も多くいます。また、外貨預金は、為替レートの変動による影響があるので、やはり投資信託など更なる分散投資型の投資商品もローン残高と相殺できるといいなぁと切に思っています。ここまでできるとまさに資産連動型住宅ローンでしょうか…。

今回のポイント

・預金連動型住宅ローンは、貯蓄がある、または貯蓄を増やせる人なら、繰上返済同様の金利負担軽減の安心感があり、金利上昇リスクにも対応できる。

・一時的に預金を引き出しても、その後に貯蓄のペースを上げられれば、総返済額を膨らませないようにすることも可能。

・預金連動型住宅ローンを使う上で最近よく聞く悩みは、お金をローンと相殺できるように預金に入れるか、投資に回すかどうか…。借入額2000万円台前半なら、100万円程度を預金ではなく投資に回しても、その後の預金増加のペースをあげれば挽回できそう。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ


2006-03-14 11:28  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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