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Vol.6 住宅ローンは繰上返済より借換えが効果的!?

 先日、住宅ローンの繰上返済を一生賢明がんばっていらっしゃるご家庭から、何となく家計にゆとりがなく、不安を抱えているという相談を受けました。前回、繰上返済の落とし穴について触れましたが、まさに家計を安心してやりくりするための、解決策を以下でご紹介しましょう。

■脱「繰上返済貧乏」! 預貯金を大きく減らさなくても繰上返済以上のメリットがある借換えの例

 全期間固定金利の住宅ローンを利用している人が、同じく全期間固定金利タイプのローンへの借換えを検証する場合は、単純に金利差を見れば判断できると思います。しかし、最近の住宅ローンは途中で金利が変動するタイプが多いので、その比較が非常に難しくなっています。

 さきほど触れた相談者の例では、次の図のように3年間だけ固定金利が適用されるという3年固定タイプの民間の住宅ローンでした。毎月、繰上返済用の積立を3万円、ボーナスもほとんどを繰上返済にあてるというプランで、今までも何回かにわたって繰上返済の期間短縮型を行ってきたそうです。3年固定で、ちょうど1年後に金利見直しがあるので、その際に金利上昇に備えて繰上返済をしたいと思っていたようですが、毎月の家計のやりくりに余裕がなく、ストレスを感じ始めているとのことでした。

 繰上返済をすれば、確かに総返済額は抑えられますが、他に家計が楽になり、総返済額も繰上返済をするよりメリットが出る方法はないのでしょうか?10年固定2%のローンへの借換えをここでは考えてみました。

 ご本人は、金利2.25%から2%に下がるだけなら、諸費用もかかるし、効果ないと思っていたようですが、このように、繰上返済で手元資金を100万円も減らさなくても、10年間は着実に返済負担を軽くでき、残高も減るので、11年目以降も金利上昇の影響を抑えられる効果が出ています。

 なお、この借換えプランは、将来の金利が3%以上に上昇すればするほど、借換え前の返済負担が膨らむので、返済額の軽減幅が大きくなり、更に借換えメリットが出てくるといえます。

■その他の借換え効果

 実は借換えには、いろいろな目的があります。先の例は、繰上返済をする以上に(1)総返済額を軽くできるということを注目した例ですが、借換えには他にも次のような目的が考えられます。

(2)「金利上昇リスクを回避する」ことを優先した借換え

 これは、金利が変動するタイプを利用している人が、将来の金利上昇の負担増を減らすために、仮に今は返済額がアップしても、総返済額を確定させたいというケースです。金利が変動するタイプで、繰上返済をがんばっても、安易に期間短縮をしてしまっては、毎月の返済額を思うように減らすことはできません。(前回のコラム参照)

 特に子供の教育費がかかる間などは、住宅ローン返済に振り回されることのないよう、固定金利期間を長めにして安定した返済内容にしておくという視点も大切でしょう。

(3)「毎月の返済額を減らす」ことを優先した借換え

 最近は、収入ダウンや住宅ローン以外の家計支出の増加によって、毎月の返済を軽くしたいという声もよく聞かれます。この例は、将来の金利変動リスクはあるが、今の生活を楽にするために毎月返済額を軽くすることを優先的に考えた例ですが、どちらも3年後に金利見直しがあることは変わりません。

 収入ダウンが一時的な場合や、数年後には、家計に余裕が出る、あるいは満期金が受け取れるなど、将来の対策も考えた上で活用したほうが安心できるでしょう。




今回のポイント

・繰上返済は手元の貯蓄を減らしてしまい、家計のゆとりがなくなるケースも多いので、借換えで効果が出るかどうかを先に検討しよう。

・借換えには、総返済額を減らすための借換え、金利上昇リスクを避けるための借換え、当面の返済額を抑えるための借換えがあるが、何を目的をしたいのかをまず整理すること。

・そして、借換えをする前には、当面の返済額のみならず、金利変更後の返済額、諸費用、総返済額も合わせて比較することが大切。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ


2005-10-04 11:19  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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