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Vol.14 シングルOLのマンション購入の落とし穴

 先日、シングルの女性のマンション購入に関して住宅ローンのご相談をお受けしました。最近は、マンション購入セミナーも大流行と聞いています。そこでは、造りもセキュリティ面も安心で、駅からの便もよく、資産価値も下がらない物件で、仮に将来、結婚しても人に貸せるという視点で選ぶ方法をよく耳にします。

 確かに家賃を払うくらいなら、資産として価値のある物件を購入してそこに住むのも一つの方法かもしれません。しかし、そこには、あまり知られていない落とし穴があるのです。

■落とし穴その1:人に貸すと、住宅ローンの借換えができなくなるのをご存知?

 実際の住宅ローンの相談で、人に貸している物件の借換えをしたいという声もよく聞きます。しかし、一旦、人に貸してしまった物件は、あなたの住宅という扱いではなく、投資用不動産になってしまいます。その結果、一般の金融機関の住宅ローンは対象から外れてしまうのです。

 購入時に組んだ住宅ローンをそのまま生かすことはできますが、もし、その住宅ローンが3年固定タイプあるいは変動金利タイプなどで、途中で金利が見直されるタイプの場合、将来の返済はどうなるのでしょうか?

 2005年12月現在の店頭金利は、既に5年固定で3%に上がっていますので、住宅ローンの金利水準が3%4%まであがることは十分に考えられます。その場合、毎月の返済負担は図のように3万円程度もアップしてしまう可能性もあるのです。

 そこで金利条件が少しでも良いローンへと借換えしたいと思っても、既に人に貸していた場合は、住宅ローンの借換えはできません。また、投資用不動産が使える事業用ローンは金利条件が住宅ローンほど良くなく、借換えのメリットはほとんど出ないといえるでしょう。これでは、家賃収入でローン返済をカバーできなくなるリスクも発生してしまいますよね。

■落とし穴その2:派遣社員になると、住宅ローンも良い条件での借入が厳しい

 中には、転職をしたり、派遣社員として勤務形態を変えていく人も多いでしょう。先日は、派遣社員でマンション購入を検討している人がいましたが、民間の住宅ローンでは、派遣社員および転職直後というのは、なかなか借入が厳しい状況でした。

 頭金が物件価格の2割あれば、勤続年数に関係のない「フラット35」が使えるのですが、衝動買いに近く、頭金ゼロでのマンション購入では、不動産業者の提携先として紹介された変動金利タイプの住宅ローンくらいしか選択肢がなかったようです。購入時はなんとか借りられても、途中で借換えできないかもしれない現状を知った上で判断すべきだと思います。

■最初から長期固定金利のローンを選ぶのが理想的

 このように、購入したマンションを将来、賃貸に出す可能性がある人、または転職や独立をする可能性のある人は、今後住宅ローンの見直しをしなくてもいいように、購入時に借り入れる住宅ローンをしっかり選ぶ必要があると思います。

 住宅ローンは、本人の将来の返済能力と住宅としての担保価値から貸してもらえる商品です。ローン変更も簡単にできると安易に思わないことが大切です。

 では、将来、住宅ローンの借換えをしなくても大丈夫なように、シングルOLさんの選ぶべき住宅ローンは、少なくとも返しきるまでの金利が固定されているタイプがいいと思います。民間金融機関が窓口になって公庫が買い取る「フラット35」か、20年から30年程度は固定金利が適用されるタイプなどが候補でしょう。

・「フラット35」を利用できるためには、頭金も物件価格の2割を預貯金から出せるように、貯蓄も準備済みであることが必要です。

・一方、長期固定金利の住宅ローンは、返済額は安定していますが、短期固定タイプよりも金利が高めな分、購入直後の返済額が比較的多くても問題ないかどうかを検証しておくことが大切です。
(次の図参照)

今回のポイント

・シングル女性のマンション購入は、将来、結婚や転職などのライフプランの変化を考えて住宅ローンを選ぶべき。

・特に人に貸したり、転職したりすると住宅ローンの借換えが非常に厳しくなることは覚悟しておこう。

・もし、その可能性があるなら、途中借換えをしなくてもすむように、長期固定金利タイプの住宅ローンを最初から選んでおくことが安心の秘訣。

STコンサルティング(有) 吹田朝子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ


2006-01-31 10:33  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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